2016年6月7日火曜日

音楽表現における動作と重心移動
















重心移動による体量配分の変化が

音楽や演奏の表現に影響しているのか、

そこに関連性が見つけられるのか、を少し考えてみようと思います。

以下のアンデス音楽のギター奏者の例を挙げて

少し考察してみました。

 

少々入り組んでいますので

メモの画像も併せて

考察していきます。

 

 

笹久保伸ギター演奏


 





◎まず、この演奏家の特徴です。

 非常に独特なスタイルで、その集注点も独特です。

 この人は、腰椎5番(以下、L5と略す)を後方に

 突き出しながら演奏します。


 大きく開かれた下肢でこの5番を中心に

 両下肢をそれぞれ上下させることで情動の噴出や抑制を

 中心点を移動させながら表出し、演奏に魂を入れ込んでいます。

 基本的には左坐骨の底部と左足の踵~カカト側に重心を作っています。

 これに余韻とタメと裏側の旋律を入れ込めるのに

 右足膝を上げ、下ろすことで「L5の突き出しを仙骨から尾骨まで

 降ろすことで行なっています。」この時、重心は一瞬右の坐骨底部と

 右足裏に移動します。

 この前半は手首の締めとひじにより胸椎10番を中心とした力点を

 作っています。


 また、演奏の中盤のテンポの速い盛り上がりに

 まず手首を締めながら仙骨溝を引き締めて、演奏の山場に備えます。

 そこからやおら右足膝、左足膝を交互に上げ下げして、尾骨に降ろしたり

 L5に戻してかつ、仙骨を引き締めたり、目まぐるしく集注点の移動を

 重心を離したり、移動させながらこの難所を乗り越えようと無為運動が

 起っています。終盤は仙骨の溝の開き締めで対応しています。


 その後、また導入部の謳わせる旋律に戻るのですが、ここで感情を
 こめます。

 これを、左足膝を上げることでL5からL3,2に引き上げながら

 右骨盤底部に重心を移しながら、L2の情動的な色合いを音に絡めて
 いこうとしています。

 

 以下、別便にて各パートでの詳細を解説。




 ①演奏時間[0:41]

  右足膝上げにより、重心を右骨盤手に部に移動して
  L5から仙骨、尾骨に降ろす。


 ②演奏時間[0:49]
  同様。


 ③演奏時間[0:52]
  左手を下におろす。
  ここでそれまで肘と手首によって力点を作っていた
  胸椎10,11(以下、D10と略す)の集注をL1に下ろして
  いる。


 ④演奏時間[0:56]
  ここで右足膝を上げL5から、重心を右坐骨に移動させて
  中心点を仙骨から尾骨に下ろし、ヌケさせている。


 ⑤演奏時間[1:00]
  ここでは左足を落とすことで、坐骨と左かかとに
  重心を戻し、ひとつの区切りを設けている。


 ⑥演奏時間[1:26]
  この左足膝上げ下ろしは、失敗しておりL3の捻じれを起こして
  いる。
  そのためハーモニクスにつまづいている。何でもない演奏であり
  ながら心理的に引っかかりが生まれて、捻じれてしまったの
  だろう、、。


 ⑦演奏時間[1:34]
  手首の締めにより~指の開きや全指への気の集注と緊張により
  作る ~仙骨の溝を締めている。


 ⑧演奏時間[1:52~2;32]
  ここでめまぐるしく右足と左足の上げ下げを行なって重心を移動
  させ、テンポの速い楽節を謳わせている。
  この時、中心は仙骨の溝であり、これを左下肢で締め、
  右下肢で尾骨に下ろしている。


 ⑨演奏時間[2:52]
  導入部の切なげなメロデイをより情感を込めるのに
  ここでは、左ひじを引き締めL5の集注点をL2からL1に
  上げて、抜いている。


 ⑩演奏時間[3:38~3:53]
  3:38では逆に仙骨を開いている。
  情感の亢まりに仙骨を開き、L5のポイントを
  上方のL2およびL1に持ってきて、謳わせている。
  重心は骨盤底部の前に移動している。
 
 終幕 演奏時間[3:52~4:22]
  左足膝を上げる動作でL5からL2.L1に中心点をヌケさせる。
  4:06でも同様。
  終幕の4:22でL2が右に動いている、
  L3はそこで捻じれて、楽曲の終わりのランディングに
  少々失敗する。
 
 
  素晴らしい楽曲と演奏であり、
  哀切極まりない音楽が心を揺さぶる。
  これほどの演奏家でも
  無意識の心理的な重圧で、ちょっとした体捌きにつっかかる、、
  そこがまた面白いところなのです、、。




 



 
 


 



























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