社会現象における集団行動の裏にあるもの

　　２月も１０日を経た今となっては、ひと月あまり前の騒動も
　　今は昔、、の風情で、風が吹いてもかさりとも音がしないくらい
　　静まってしまっている、、。

　　ネットの世界では次々新たな話題が持ち出され、轟音と共に
　　走り去っていくのであるから、わずか１０日余りの「騒動」に
　　さほど拘泥する向きも居ないだろうけど、ひと月前の
　　「騒動」には、からだの全身全神経が集注されたほどのうねりの
　　ごとき大波が裏側では打ち寄せたことを誰も気づいていない、、。


　　この「騒動」とは「スマップ騒動」のことである。

　　最終的に役の良悪の逆転させられた舞台で、反逆組としての
　　４人が謝罪させられていったんの幕となったが、、
　　この「たかが」１アイドルグループの危機が、世の中の大勢を
　　揺り動かすほどのものではない、と云うのが
　　常識的な見解であり、それが成る程もっともだと云える、、

　　けれど、このジャストタイミングのスクープが
　　その中身のドロドロした権勢劇が知れ渡るにつれ、世間の
　　ただの「驚き」のレベルをどんどん越え出てしまった時点で
　　あまりにカチッと身体の裏側の体勢の変遷にはまったのだ。


　　筆者も含めて多数の外野である「世間の人たち」は
　　このアイドルグループを巡る微妙な力関係の顛末を、
　　初めて知りえたのだけど、それらは現実の社会のあちこちで
　　無数に現存している状況なのではないかと思わせる
　　共感的で共時的な「物語」なのであった。

　　現社会の閉塞的で、息の詰まる停滞感にやりきれない思いを
　　抱きながら日暮しを続ける私たち「世間の人」は、
　　この強権的な事務所サイドと新興勢力として成功を納めながら
　　新たな権勢図を描こうとしていたスマップサイドの
　　駆け引きの中に何か、現状の突破口が開けるのではないかと
　　揺らいだカゲロウのような夢を抱いたのであり、、
　　けれどその後開始されるすさまじいばかりのプロパガンダで
　　既得権者の情報誘導と切り崩し工作によって粉みじんに
　　打ち崩される「物語」をリアルタイムで経験したのである。


　　
　　２０１５年～１６年の冬は、
　　なかなか冬らしい冬が訪れないまま暖かな、そういう意味では
　　過ごしやすい日々が師走になっても続いた、、。
　　このあまりに穏やかな弛んだ日和が、１２月の初旬にして
　　はや春の動きの芽吹くこととなってしまったわけである。

　　春の身体への移行と云うのは、通年１月の中下旬ころから
　　その蠢動が始まり、徐々に徐々に骨盤や体が開かれていって
　　夏の汗かく身体に移り変っていく。
　　１月の中下旬と云うとまだ、しばらく寒気団がやってきたりして
　　極寒の時期が続くのであるが、外気温の低さに耐えつつ
　　身体を開いていくので、ぼおとぼやけた頭と重い身体に拘泥しつつ
　　寒さの外世界の中に何か明るい蠢きを予感しながら、、、
　　この、ない交ぜの感覚の中で進んでいく、、。
　　
　　１２月の初旬はその中で、いよいよ訪れようとする本格的な
　　乾きと寒さに備えて、腰椎５番と３番がタッグを組んで
　　呼吸器と泌尿器をフル稼働させながら、血流の鈍りに活を入れつつ
　　循環器を下支えし、代謝機能を低下させまいとして
　　奔走する頃なのである、、、

　　ところが今季は、始まりこそ乾きの波が訪れて３番が踏ん張って
　　いたのだけど、１２月がいくら歩を進めても一向に外気温が
　　下がらない、、。
　　記憶が正しければ、大晦日もうららな風がそよぎ、１月が明けても
　　穏やかなまさに初春ののんびりした気候であった、ため
　　腰椎５番は早々に休息に入り、３番も何だか一人で踏ん張っている
　　のもバカらしいなと、いちはやく１番にバトンを渡して眠りについて
　　しまった、、、

　　これが冬至の頃、１２月の二十日過ぎのことである。

　　すでに春の動きを始めていた身体はまず。頭骨を徐々に弛ませ
　　始め、肩甲骨に次の出番待ちを予告している、、
　　冬至を迎えていきなり主役として舞台に突き出された腰椎１番は
　　この独り舞台に極度に緊張する、、
　　弛みながら緊張するというのは至難である、、
　　大脳間の連絡は悪いし、動き出しも遅いとなれば、胸鎖乳突筋を
　　緊張させつつ身体各部に刺激を与え、まどろみの各部の観客の
　　目をしゃっきり開かせるしかない、、、

　　このことが時ならぬ１番の「２種体勢」への衣装替えとなったと
　　云える、、

　　「２種体勢」の何だか不安な、予感めいた不吉さは
　　メインストーリーはないのに、ハチャメチャな険悪なエピソードの
　　つなぎ合せで、のんびり２階席に上がってうたた寝をしていた
　　消化器やら循環器、呼吸器を震え上がらせた、、。

　　胸部は硬張り、消化器は遅鈍しつつ過敏化し、呼吸器は
　　ぜくぜく咳を繰り返して身体を引き締めようと焦ったのである、、

　　実はこの時点で、１階席でのんびり観劇を決め込んでいた
　　生殖器や泌尿器は、しかしあまりの弛みっぷりに、これではなと
　　１２月の前半からすでに、ストックしてあった蓄積疲労を揺り起こし
　　まるで梅雨前期の「古い故障の復活」のごとき策を、
　　展開していたのだ、、、。


　　この妄想の領域の二重苦、三重苦の「２種体勢」の独り舞台による
　　総活躍体勢は予想以上に大きな影響を及ぼしたこともあって、
　　身体は、収拾を図らなければと秘かに打開方向を探り出す、、
　　これが年明け前後のことである、、。


　　
　　「スマップ解散」のスクープの第１報は、確かまだ太陽が昇らぬ
　　日が替わってしばらくの深夜のネットニュースであったと思う。

　　「えっ！！」とは思ったが、「そうなのか、、、ついにね、、」と
　　最初は驚いたものの、ファンでもない一般的な位置にいる
　　自分としては、その程度の感想であった。

　　ところが、その日のうちに怒涛の展開をし始める、、
　　単純な解散宣言ではなく、複雑な内情をはらんで抗争ともいえる
　　経緯をたどりつつ、既得権者から独立を図ろうと画策した
　　グループが潰されつつあると云う驚くべき内容であったのだ。

　　すでに１年前から伏線があり、水面下の攻防が進んでいたと
　　云うのである。
　　ファンやネット住民はおおむね、この事務所サイドの圧力的な
　　姿勢に批判的であり、一様に声を上げ始める、、。

　　けれどここから、事務所サイドの情報操作の大攻勢が始まる、、。
　　マスコミの連日の報道は事務所寄りのプロパガンダとなり、
　　反発したネット世論は徹底抗戦を呼びかける、、

　　最終幕が例の「お詫び会見生放送」となって、幕をいったん
　　下ろしたのであるが、誰の目にも正邪が逆転した状態で
　　この劇が執行されたことは明らかであったのである、、。

　　いずれにしろすでに幕引きはなされ、騒動は終息されたかの
　　ようであはるが、、火種はくすぶったまま裏舞台に隠れたのだとも
　　いえる、、。



　　新たな年が明け、１月も１０日を過ぎたジャストタイミングで
　　その「騒動」は持ち上がった。
　　世間が一様に驚かされ、その動きが加速されてムーブメントとして
　　旋回し始めて、社会現象の勢いを持つ裏では身体も、まさにそこに
　　乗っかりつつ舵を取り、さらに大きな蠢きに誘導すると云う、大きな
　　団扇を盛んにあおぐディレクターとしての役を務めているのである、、。

　　この「勢い」と云うノリと云うのは、実は起こそうとしても簡単に
　　起きない旋回的な拡散現象である。


　　「２種体勢」の発展的な収束をどう図ろうかと機会を狙っていた
　　身体は、この実にレジスタンス的な動きに発展しそうな「騒動」を
　　見逃さなかった。
　　判りやすい物語であり、くすぶっていた抑圧感からの解放と云う
　　夢も一時見ることが出来る、、。
　　実にうってつけのこの上ない最上の舞台が用意されたのだ。

　　「２種体勢」という１番の弛緩体勢を最もすんなりと受け継ぐのは
　　腰椎３番の緊張体勢である。
　　捻れ体勢であるこの３番の引継ぎで、闘争や格闘が起こされて
　　弛んだ体勢が一挙に捻れ、力を持ち、緊張体勢に移行していく。

　　心情的にレジスタンス側に回った者も、保守権力者側に回った者も
　　「敵」を設定したことで勢いよく捻れていく、、。
　　勢いと云うものは、その大きさや力感、燃えさかってゆく空間的な
　　拡がりなどによって、ますます鬱散力を亢めていく、、。
　　集注と拡散と云う、大きな変動に身体が全力全神経で臨むと
　　圧倒的なカタルシスと休息が訪れるのだ。
　　
　　こうして身体にとって最上のシナリオで２種体勢の行き過ぎを、
　　一時的な暫定体制である「７種体勢」によって収束を図ることが
　　出来たのである、、。

　　もっとも傍外で、何のことやらと、、冷めた目でやり過ごした人たちは
　　この絶好の機会を逃したわけで、「２種的体勢」の残滓を残したまま
　　今の体勢を迎えているのである、、。
　　あるいは「２種的」傾向がさほど濃くなく、不要な体癖的特徴を
　　持った人たちは何割かは存在するのだし、また単純にそんな暇と
　　興味がない人たちは、結局何か別の機会を得るしかないので
　　ある、、、


　　その後、暫定措置の「７種体勢」もすぐに１月の下旬には、腰部に
　　納められてしまった。
　　腰椎４番がやっと例年通りの骨盤全体の舵の方向転換を図るべく
　　骨盤をゆったり止めて、これから春の開方向に針路を変更してゆく
　　のだ、、。



　　２月の一旬を終えた今は、身体にとってはまた新たな問題が
　　起っている、、
　　弛みすぎた頭皮、と云う早すぎた春の移行のくすぶっていた残り
　　の火種がややカッと燃え退っているのである、、、、